2017年12月12日

From Factory



クイーンアンスタイルの椅子の修復中です。
つるっとした猫脚でおなじみのデザインです。


アン女王の在位は18世紀前半ということに加え、非常に短期間なので、実は当時のオリジナル家具はもう殆ど手に入りません。
世間に出回っているアンティークのクイーンアンは、過去にリバイバルされた物が殆どという事になります。


この椅子はというと、19世紀後半に造られた、当時のリプロダクションです。
すでに何世代にも渡ってリバイバルされているデザインの家具に関しては、何が本物なのかは意見が別れるところですが、これはこれで、間違いなく本物のアンティークです。


ちなみにキヤアンティークスでは、クイーンアンに限らず、リアルタイムで作られた家具と区別するために、後の時代に造られた家具には「スタイル」と表記しています。


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クイーンアンチェアをレストアしていると、よくあることなんですが、前脚の付け根のパーツが外れて欠損している個体に結構な確率で出くわします。


脚とフレームを曲線で繋げるためのパーツなんですが、デザインだけではなく、ストレッチが付いていない事が多いこのタイプの椅子では、補強も兼ねているのでかなり重要なパーツです。


膠で接着してあるだけなので、日本の気候に合わず、ちょっとしたことで外れてしまう事が多いんですね。

修理の際は、目立たないように補強を入れています。


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とりあえずパーツボックスから怪しいパーツを拾い出して合わせてみます。
ここに無ければ製作することになるので、かなり遠回りすることになります。


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ありました!

良かった良かった。探してみるもんです。
手間も省けますが、オリジナルに戻せる事が重要です。


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posted by kiya antiques at 14:36| From Factory

2017年12月05日

From Factory

ボール盤ってご存知でしょうか?

男性なら中学の技術家庭の授業で使ったことがあるのでは?

じつは工夫次第で色んな使い方ができるのですが、主にドリルを噛ませて木材や金属に穴を明ける機械です。


電動工具の中では、使い方を間違えなければ、最も簡単で安全な工作機械の一つですが、今回はややハイブローな技に挑戦しました。

イギリス・スポード社のケーキプレートからディナープレートまで、3段階の大きさの磁器製のプレートに穴を明けています。


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ドリルビットはちょっと特殊で、ガラス用のビットを使います。

コンパスで中心を確認して、割れないようにゆっくり当てていきます。


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回転スピードは遅めに設定しています。

ちょいちょい裏側を確認しつつ、貫通寸前でプレートをひっくり返して反対側からドリルを当てます。
そのまま表から貫通させると、どうしても裏側のヘリが、バリッと行っちゃいますので。


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開きました!

ここまででも結構な時間とプレッシャーが掛かります。

そしてイギリスで買い付けたこれ!


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組み付ければアフタヌーンティーで使われる3段ケーキスタンドの完成です。


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組み付け前に、穴の断面から浸水しないようにラッカーでタッチアップしてあります。

釉薬程の強度はありませんが、耐水性は断然良くなっているはずです。
posted by kiya antiques at 15:10| From Factory

2017年11月29日

From Factory

アンティーク家具の意匠で欠かせない轆轤挽き。


椅子のパーツや小物等を造る細く短い木材から、ダイニングテーブルの脚のように、90ミリ×90ミリの角材、さらには120ミリ×120ミリなんて太さのの木材も加工することがあります。


テーブルの脚ともなると、旋盤のスイッチを入れるだけてこの迫力です。

動画だと分かりにくいですが、工房全体の壁を揺らす勢いで回転しています。





この高速で回転する角材に、最初に刃物を当てる時はなんとも言えない緊張感です。





これで90ミリ×90ミリ。
実際に手に掛かる負荷はかなりのものです。

最初は技術よりも、思い切りというか根性みたいな精神力が必要ですが、ある程度削って角材の平面がなくなり丸くなった頃からは、逆に繊細さが求められます。





ちなみに今回は木材の中では柔らかい部類のパイン材を加工しています。


キヤの工房は、大量生産する工場でもないので、慣れた頃には仕事が終わってしまい、次の仕事もしばらく先になってしまう事がほとんどです。

アンティーク家具の脚や轆轤加工専門の木工作家さんの作品のようになかなか上手くなりませんね。
毎回まだまだ修行が足りないなと思い知らされてしまいます。
posted by kiya antiques at 14:14| From Factory
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